今日は東京都江東区にある清澄庭園まで野鳥観察に来ました。日本野鳥の会東京では毎月第三土曜日に月例探鳥会として開催地に挙げられている場所でもあり、ずっと行きたいと思っていましたが、ようやく来ることができました。
都営大江戸線または東京メトロ半蔵門線の清澄白河駅A3出口から徒歩5分くらいのところにあります。
改札を出ると写真奥の緑があるところが清澄庭園なのでほんとすぐ目の前です
正門は大通り(清澄通り)に面していないので、塀に沿ってしばらく歩きます。
正門に到着しました。駅から行くと通用門が先に見えるので正門と間違えてしまいました。通用門の先に正門があります。
サービスセンターで入園料を払います。一般は150円、65歳以上は70円、小中学生は条件付きますが無料で入園できます。
開園時間は午前9時~午後5時(入園は16時30分)まで。当然午前9時に入園しました
清澄庭園に入ります
150円を払って、いざ入園!左が『順路』、右が『涼亭』と案内板に書いてあります。
順路に沿って行きます。どんな野鳥に会えるかな。空は曇天模様。。
サービスセンターでもらったパンフレットで庭園マップを確認。大泉水に沿って左周りに散策します。
パンフレットにはキジバト、ヒヨドリ、オナガ、ムクドリ、シジュウカラ、アオサギ、ゴイサギ、カワウ、ユリカモメ、ツバメ、キンクロハジロ、ホシハジロ、オナガガモ、ヒドリガモが見れますよと書いてあります。
開けたところに向かいます。清澄庭園は池の周囲に築山や名石を配置した回遊式林泉庭園で、東京都指定名勝に指定されています。
左手に見える建物は大正記念館になります。大正記念館は大正天皇の葬場殿を移築した建物でしたが戦時中に焼け落ちてしまったため、後に「貞明皇后(ていめいこうごう)」の葬場殿の材料で再建されました。
事前に申し込みをすることで集会所として利用できる施設のため、本日は外から見るだけです。
この地の一部は江戸の豪商・紀伊國屋文左衛門の屋敷跡と言い伝えられているようです。
海外の方が大変多くいらっしゃいました。ありがたいですね。
さっそく地面を歩いている野鳥を発見!ムクドリですね。
明治11年に岩崎弥太郎が荒廃していたこの邸地を買い取り、社員の慰安や貴賓を招待する場所として庭園造成を計画、明治13年に「深川親睦園」として竣工されたとのことです。
岩崎弥太郎は三菱財閥の創設者として有名ですね
大正記念館を背に大きな池”大泉水(だいせんすい)”を眺めます。あちこちにベンチがあるので、好きな時に好きな景色を眺めながら休憩できるところが良いですね。
ツツジが咲いている島”梅島”に野鳥がいるのが見えました!
アオサギさんですね。3羽いました。ツツジとのコントラストがいいですね。
とても優雅な飛び方をする野鳥
しばらく梅島を眺めていると、野鳥の群れ7~8羽くらいがやってきて下の写真の木に止まりました。
まるで始祖鳥を思わせるように長い尾羽をなびかせながらゆったり優雅に飛ぶ野鳥は、まだ見ぬオナガに違いない!つい見とれてしまった。急げ急げ!!
じっとしないし、木の中の方に入っちゃうから枝かぶり葉かぶりでなかなかうまく撮影できませんでしたが、あの黒い頭、淡い青色の羽根と尾、そしてなんと言っても長い尾、初見のオナガでした!やったね。
飛び方も見た目もエレガントなオナガですが、意外にもカラスの仲間なんですね。
鳴き声も見た目に反してギーギー声
オナガの群れは今度は大正記念館の裏の方、枯山水の方に向かったので私も後を追う。
大正記念館の屋根の上に2羽止まってくれましたので撮影。やったね。
オナガは江戸時代から江戸の中心部に生息する「縁起の良い青い鳥」なので欄間の彫り物や絵画に描かれているとのことです。
木の枝に止まっているオナガもなんとか撮影することができました。暗いけど、やったね。
オナガを探していたらヒヨドリに会いました。
しばらくするとオナガの群れはまた別の方へと行ってしまいましたので、水鉢を鑑賞したのちこの場所を離れます。自然の浸食でこの形になっていた岩を京都から運んで設置したそうで、ひっそり隠れてありますが太古から水を受け続けて窪んだという大変貴重なものらしいです。
オナガの群れが飛んでいる姿はほんとに優雅でかっこいい。一見の価値あり!
ムクドリをあちらこちらで見かけます。
中の島に渡っておこう
池には3つの島がありますが、唯一橋が架かって渡ることができるのが中の島なので、行ってみたいと思います。
橋が見えてきました。その先には富士山が見えます。
富士山と言っても園内にある築山の富士山のことです
橋を渡ります。
海が近いせいかユリカモメが上空を飛んでいるのを何度か見かけましたが、園内には来てもらえませんでした。
中の島に上陸しました。
島をぐるっと散策します。ベンチがたくさんあることが示すように、景観が素晴らしいのでずっと座ってられます。
落ち着きますなぁ。今日は有給休暇を取って平日に来ていますが、会社のiPhoneは携帯しないと落ち着かない。メールのチェックは一応する。
いやー、整備が行き届いて素晴らしい。入園料150円って安いね。
ここにもムクドリがいる。
ホシハジロも池に割と多くいました。
ホシハジロって冬鳥じゃなかったっけ??
富士山に向かいます
中の島を満喫したところで、次に富士山に向かいます。
道を歩いていると、木の上の方でガサガサする音が聞こえたので目を向けるとアオサギがいました。
庭園内には岩崎家が自社の汽船を用いて伊豆や伊予、佐渡から持ってきたという名石があちこち見られます。中には、現在採取が禁止されている幻の石もあるそうで。石そのままのものもあれば、九重塔や石仏群のように加工されたものも見られます。
中でも大変貴重なのが佐渡赤玉石という石で、名前の通り佐渡ヶ島の石で、あちこちに持ち出されて今はもう佐渡にはほとんどないのだとか。私は見逃してしまいましたが、みなさんは是非ご覧ください!
メインの通りから少し外れた小道があるので吸い込まれてみます。
ここが噂の石仏群。右に三猿が彫られた庚申塔(こうしんとう)がありますね。庚申塔とは寿命を縮めないために 江戸時代に大流行した民間信仰らしいです。
解説しますね。旧暦では60日に1度、庚申(かのえさる)の日が巡ってきますが、この夜眠ってしまうと人の体内にすんでいる三し(さんし)という虫が天に昇り、天帝にその人の日ごろの行いを報告するという道教の教えがあり、罪状によっては寿命が縮まると言われていました。寿命が縮まっては大変。この日は身を慎み、虫が抜け出せないようにと徹夜して過ごしました。日本では既に10世紀ごろには盛んだったようで、「枕草子」、「大鏡」などに記述があります。この教えが広まっていく中で仏教や庶民の信仰が加わり、江戸時代には全国の農村などで大流行しました。
野鳥を探すため先に進みます。
富士山の麓まで到着しました。この庭園で最も高い築山で、横長の植木はサツキ・ツツジの灌木類を数列横に配して、富士山にたなびく雲を表現したものだと言われています。なるほど、言われてみればそう見える。
この富士山には登頂できません。
富士山をもうちょっと引きで撮った写真です。
その富士山の脇には、枯山水で表現された流れと滝”枯滝”があります。
涼亭を見てこよう
このあたりが正門から見てちょうど池の反対側になります。
The 庭園。いいなぁ。良き。この素晴らしさをなんとかして伝えたい。
庭園には亀さんがいるのも一興です。なんと立派な錦鯉もいました。
カモ類がいるのも庭園の趣きに一役買っています。
涼亭のすぐ近くに着きました。池に突き出るようにして建てられた数寄屋造りの建物。
明治42年(1909)に国賓として来日した英国のキッチナー元帥を迎えるために岩崎家が建てたもの、とのことです。
こちらも集会場などとしての利用が可能ですが、事前予約がないと入れません。1回(3時間30分)5,500円で比較的安く感じますが、なんと利用日の6か月前からの受付開始。
そりゃそうですよね~
自由広場に野鳥はいるかな?
涼亭の裏側に、自由広場があるらしいので寄ってみます。
これまで、私は自由ではなかったのか。。
清澄庭園には、約350株の花菖蒲(はなしょうぶ)が植栽されていて、初夏を迎える時期になると見事な花を咲かせてくれます。見頃は例年6月上旬から下旬らしいので、まだ時期的に早かったですね。
あずまやで一休み。水筒に入れてきたコーヒーを飲みます。
ベンチがあってお昼には結構な賑わいになっていました。
残念ながらここでの野鳥は逆光のヒヨドリのみ。。
庭園の奥には松尾芭蕉(1644~94)の「古池の句碑」があります。
古池や蛙飛び込む水の音
おぉ。もともとは1934(昭和9)年に隅田川のほとりの芭蕉庵跡に建てられたものでしたが、改修の際に、ここに移されたそうで、清澄庭園は直接は芭蕉とは関係はないそう。
でもこの深川は芭蕉が晩年を過ごした地であり、あちらこちらに芭蕉にちなんだ碑や旧跡があるんだ。
自由広場を出るとすぐに”清澄園記”があります。要約すると大正13年(1924)6月に岩崎久彌が清澄庭園を東京市へ寄付したことを称えた石碑で、碑文には、彌太郎による園地の購入、彌太郎と彌之助による庭園整備の変遷、庭園利用の実例などが記されています。
磯渡りで園内最大級のアクティビティを楽しむ
鳥見も楽しみにしていましたが、磯渡りも密かに楽しみにしていました。
石渡りを誘うこの道が、またワクワク。
いきなりこんな看板が。。
オッケー、いいでしょう
バランスを取りながら石を渡っていきます。
滑って落ちて2万円のカメラが壊れたら大惨事!
雨の日や、雨上がりすぐは石は渡らない方がよいかも。
ホシハジロが石の上で休んでいました。
奥に見えるのは長瀞峽の西側に架かる石橋。いろんな形の石を渡ることになります。
こちらは大磯渡りと長瀞峽東側に架かる欄干付きの石橋。
石を渡る人のご褒美に思えました。良き良き。
こちらが大磯渡り。大正記念館の前の広場に到着します。
ここで庭園内を一周したことになりますが、見どころがたくさんあって歩いていて気持ちいいので私は3周してしまいました。
帰ろう。そしてブルーボトルコーヒーでお茶しよう
9時に来て午後を過ぎたのでそろそろ帰ります。サービスセンターを抜けてすぐ脇に大正記念館の入り口があったんですね。気づきませんでした。
ブルーボトルコーヒーまでは清澄庭園から徒歩7~8分というところ。清澄白河は、東京都現代美術館やブルーボトルコーヒー日本1号店が起爆剤になって、工場街からアートとカフェの町になりました。
その経緯や雰囲気がニューヨークのブルックリンに似ていることから、清澄白河は東京のブルックリンとも称されるようになりました。
2015年2月6日アメリカカリフォルニア州オークランドに本社を置く人気コーヒーショップ『ブルーボトルコーヒー清澄白河ロースタリー&カフェ』が海外初進出の地として、東京の清澄白河にオープンしているのを知ってから是非行ってみたいと思いました。
写真奥の倉庫っぽい白い建物がブルーボトルコーヒーのお店
平日なのに混んでいました。やっぱりと言うか、案の定というかお洒落な方が多くて、おじさん入店一瞬ためらってしまいました。
正直言いますと清澄庭園はバードウォッチングとしてあまり期待していませんでしたが、全然そんなことありませんでした。オナガは是非見てほしい野鳥。写真が多くなってしまうくらい楽しい場所でした